Book 1:お茶の分類
Book 1:お茶の分類
お茶の6大分類
お茶の6大分類
ひとつの葉から生まれる、6つの味わい
緑茶、烏龍茶、紅茶。これらはまったく違う飲み物のように思えますが、実はすべて植物学的には同じ「チャノキ」から作られています。
緑茶、烏龍茶、紅茶。これらはすべて植物学的には同じ「チャノキ(カメリア・シネンシス)」というツバキ科の植物から作られています。
違いを生み出すのは、「作り方」。同じ葉が、職人の手による魔法の工程を経て、お煎餅や饅頭に合う緑茶にも、クッキーやマドレーヌに合う紅茶にも姿を変えるのです。
お茶の色と味を決定づける最大の鍵:「酸化」
リンゴを切って放置すると茶色くなるように、茶葉の中の成分(カテキン)と酸化酵素が空気に触れることで、葉は緑から徐々に紅色へと変化します。お茶業界ではこれを「発酵」と呼びます。
💡 発酵度の違い
「発酵させるか、させないか」「させるなら、どこまでさせるか」——これが、お茶のキャラクターを決める最大のポイントです。
同じ葉から出発しても、「どこで発酵を止めるか」、あるいは「別の変化(蒸らし・後発酵)を加えるか」で、お茶は6つのグループに分かれます。一つずつ、その製法の秘密を見ていきましょう。
1. 緑茶(不発酵茶)
発酵度:0%
お茶の基本形。日本の煎茶や抹茶がこの仲間です。中国でも生産量の大部分を占めます。
- キープロセス「殺青(さっせい)」:摘んだらすぐに高温(日本は蒸し、中国は釜炒り)で加熱し、酸化酵素の働きをほぼ止めます。
- 味わい:酸化させないため、茶葉は自然に近い緑色。青葉や海苔のような爽やかな香りと、フレッシュな味わいが特徴です。
2. 黄茶(弱後発酵茶)
発酵度:0% + 悶黄(もんおう)
生産量が非常に少量の希少茶です。途中までは緑茶と全く同じ作り方ですが、最後に特別な工程を加えます。
- キープロセス「悶黄」:まだ温かく水分の残る茶葉を紙に包み、一定時間放置して蒸らします。
- 味わい:この「湿熱反応」によって葉緑素が変化して黄色くなり、渋み成分も変化します。緑茶の爽やかさを残しつつ、角がとれた穏やかで柔らかな口当たりになります。
3. 白茶(微発酵茶)
発酵度:5〜10%
最もシンプルで贅沢な製法。摘んだ茶葉を薄く広げて放置し、ゆっくりと水分を抜いていくだけ。加熱もせず、お茶の中で唯一「揉む」こともしません。
- 微かな発酵:細胞を人為的に壊さないため、自然にわずかな発酵だけが進みます。
- 味わい:新芽の白い産毛がそのまま残り、果実のように甘くふくよかな香りと、繊細でまろやかな味わいが特徴です。年月を重ねて熟成させる楽しみもあります。
学生日本茶協会